イルカの人の近未来ガジェット研究所

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【長期レビュー】Oculus Quest2は「VR元年」を冗談から真実に昇華させるガジェットだ

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 公開がめちゃくちゃに遅れてしまい、本当に申し訳ありません。
 VRガジェットファンたちの間には、毎年恒例のミームがあります。それがVR元年Oculus Rift CV1やVIVE CE(Consumer Edit.)の発売された2016年に端を発し、毎年のように革新的なVRガジェットが発売され、そのたびに「今年こそ本当のVR元年」と言われ続けるうち、いつしか毎年恒例のミームとして定着していったのです。そんなVR元年ですが、今年ついに「2020年はVR元年」という自虐交じりの冗談を真実に昇華させてくれるようなガジェットが発売されてしまいました。それがこの「Oculus Quest2」(以下Quest2)です。今回はそんなスーパーテンアゲ爆アドガジェット*1のQuest2を一か月間使ってみたので、ハード/ソフトなどの面から切り込んだ長期レビューを書いていこうと思います。

スタンドアロンで解き放たれたVR体験を

 なんといってもスタンドアロンなのがすごい。Qualcomm XR2を内蔵してHMD自らがソフトウェアの演算と映像のレンダリングなどをこなすことで、PCもケーブルも全くいらないVR体験が可能になっています。初代QuestではSoCの貧弱さから画質も画面のリフレッシュレートも微妙でしたが、Quest2は片目2Kの解像度と90Hzのリフレッシュレートにより、鮮明で滑らかな、PCVRと遜色のない体験ができるようになったのです。

カジュアルユーザーも、デスクにこだわるマニアもうれしいデザイン

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 個人的にはここが一番うれしかったです。そう、このつや消しの白いボディがNZXT H210iと抜群に相性がいいのです。2021年は白でまとめたデスクを作っていくつもりだったので、このゴテゴテしすぎていない柔和な、それでいて近未来のガジェット*2らしさを残しているデザインがとにかく刺さりました。このデザインなら一般のご家庭のテレビ台とかに置いてあっても悪目立ちしない、そういえるデザインです。PS5もカラーリングや流線型のディテールがそっくりなのが面白いですね。

まずはスタンドアロンで。ケーブルから解き放たれた新感覚

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 まずはここからですよね。スタンドアロンでの動作は非常に良好です。画質もいいからSDE*3を感じることもないし、もちろんスペック不足で頭の動きに画面の描画が追い付かなくなることもないです。そもそもOculusストアに置かれるアプリは過剰に負荷がかからないかの厳格な審査を受けるので、基本的にアプリはどれも軽やかに動くことが保証されています。この点も安心ですね。SuperHot VRのデモ版を遊んでみたりもしましたが、スタンドアロンでケーブルが一切不要なので、いくらでも自由に動き回れて楽しかったです。ただし、動き回りすぎて壁を殴らないように気をつけましょう。
 それとブラウザでYoutubeを観ていて気付いたのですが、HMDをつけながらベッドに寝転がれば、なんと寝ながら両手がフリーな状態でYoutubeが観られるのです。これ……ヤバいぞ!

Oculus Linkを使用してPCVRでも使える。PCの存分なスペックで美少女にだってなってやれ

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 これは初代Questから存在していた機能ですが、Quest2は「Oculus Link」という機能を使えばUSBケーブル一本でPCVRとしても使うことができます。そして先日のアップデートで初代Questの頃はまだベータ版機能だったOculus Linkが正式化して、より安定性と画質が高まりました。ちなみに私はもっぱらOculus Link経由でPCVRとしてQuest2を使っています。Oculus Linkの利点は、なんといってもSteamVRのタイトルが遊べること。Quest2のスペックでは動かせなかったタイトルが、PCのマシンパワーの恩恵で遊べるのです。ということでVRChat*4Half-Life:Alyxを遊んでみましたが、あまりにも新次元の体験すぎてビビり散らしました。超絶美少女が目の前にいる!物陰からコンバイン兵にグレネードをぶん投げろ!……ことVRChatにおいては「もうデスクトップ版には戻れないな~」と思うほど衝撃的でした。
 ちなみにOculus Link中もUSBの給電を受けているとはいえPCからの給電なのでバッテリーは緩やかに減っていきます。……が、先日のアップデートで7時間くらいVRChatで喋っていてもまだ35%程度バッテリーが残っているほどOculus Link中のバッテリー負荷が減ったので、この点に関してはいまこの記事を読みながら悩んでいる人は心配は無用です。

ハンドトラッキングでコントローラーすら不要に。HMDを被ってすぐVR世界にダイブ

 Quest2にはハンドトラッキング機能がついています。設定で有効化しないと使うことはできないし、使えるアプリも限られてはいますが、ホーム画面のメニューやブラウザは完全に両手がフリーの状態で操作することができます。しかもビックリするほど正確に手と指を認識してくれるので、いまのところ誤作動を起こしたことはありません。どうなってるんだこれ……

装着感は慣れが必要。つけたまま眠れるHMD

 VIVEやValve Indexとは違ってゴムバンド式のヘッドストラップを採用しています。初めのうちは「なんかズレてる……」という感じでヘッドストラップの調整に手こずっていましたが、一週間くらい使っていたら慣れました。ゴムバンドなのでしっかり止まるか心配でしたが、BeatSaberなどの動き回るゲームを遊んでも途中でズレることはありませんでした。しかもゴムバンド式の特徴として後頭部に突起がないので、つけたまま眠ることもできます。取扱説明書にはつけたまま寝ないように書いてありますが ただ頭の形は人によって違うので、どうも自分には合わないな、と感じた人はEliteストラップを買うといいでしょう(ただし、11月22日現在では初期ロットに見つかった問題点の調整中とのことで、しばらく入手できないようです。公式ストア以外から初期ロットのものを購入できないことはないですが、素直にバージョンアップを待つべきでしょう)。

音質はけっこういい。でもイヤホンも用意した方がいいかも

 オーディオの方ですが、個人的にはゲームをするなら十分なラインだと感じました。視界と音声が完全に連動する体験はVR以外では味わえないものですが、その没入感が音質で損なわれると感じる場面はありませんでした。ただスピーカーを使う都合上VRChatなどのマイクも使うタイトルでは音声のトークバックを起こすことがあるので、イヤホンも用意した方がいいでしょう。HMD側面にはちゃんと3.5mmジャックがついているので、イヤホンの接続に関しては安心です。しかもBluetoothオーディオデバイスも使えるので、「俺はもう何もかもワイヤレス化しないと納得いかないんだ!」という方もニッコリ。

総評 Oculus Quest2はVRに憧れるならマストバイなHMD

 Quest2を推す理由はPCなしでも動く*5ことやデザインの良さなどいろいろありますが、一番はその値段です。PCVR前提でストレージ容量64GBのモデルを買うならその価格は37,100円と税抜4万円を切ります。Valve IndexやVIVE Cosmos Eliteなど他のHMDが10万円オーバーであったり、Qualcomm XR2と同一チップであるSDM865を搭載したスマートフォンが8万円~13万円であることを考えても、これはもう完全な価格破壊です。しかも「値段なりだな」と感じることは全くないほど、使用感はいいです。唯一Oculus Browserのキーボードが微妙に使いづらいことを除けば(まあイルカの人以外にHMDをつけながらTwitterをする人なんていないでしょうが)。発売直後は使用に必須のFacebookアカウントが凍結する問題が物議を醸しましたが、あれは運悪くQuest2の発売時期とアメリカ大統領選によってFBのスパムアカウントに対する警戒が高まっている時期が被ってしまったのが原因のようで、いまはもう特筆するほどではないようです。
買うっきゃねえ、Quest2!

*1:個人の見解です

*2:ブログ執筆開始から1年半、ついにブログのタイトルを回収できました

*3:Screen Door Effect、スクリーンドアエフェクト。画面に目を限界まで近づける都合上、ピクセルが見えてしまい興を削がれる現象

*4:VRCはQuest版もあるが、こちらは機能が大きく制限されている

*5:まあ結局みんなVRにハマってPCを買うんだけど